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床下エアコン、暖炉や薪ストーブで床暖房@大阪

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平屋に、三菱霧ヶ峰を床下エアコンとして設置してみました

今評判の床下エアコン。当社でも取り組んでいます。模式図で表すとこのような形になっています。1階の床あたりから床下空間に暖かい空気を送ってやって床をあたためるという方法です。エアコンの空気を床下空間に圧送することでまんべんなく空気を送るようにします。そのためには空気がまわりにくいような基礎形状を避けて作らなければいけません。また圧送するということは基礎内から意図していないところから空気が漏れないようにきっちりと気密施工をしていないといけません。もちろん、建物全体の気密が取られていないと暖かい空気が逃げてしまいます。

 

こちらのおうち(藤井寺市の平屋)は床下エアコンが写真正面の障子の下の棚の下に仕込まれています。気密検査でC値=0.5cm2/m2という数字でした(C値=1.0未満というのが高気密高断熱を標榜するのに最低限の目標値と言われています)。

写真のおうちは平屋なので模式図の2階にあるような軸流ファンやアローファンなどがありませんが、2階建ての家なら模式図のようにすることで高いところに集まった空気を床下に回収することで床下の空気をより動かすことができます。

棚のルーバーをとってみるとこのようにエアコンが収められています。

熱気が逃げないように邪魔板を設けて床下に誘導しています。床下エアコンにはいろいろな施工ポイントがありますが、ひとつはエアコンの機種の選定です。こちらのエアコンは三菱さんの霧ヶ峰シリーズです。

なぜ、霧ヶ峰なのか。その答えは写真の赤丸の中にあります。

エアコンのリモコンです。なぜ霧ヶ峰シリーズなのかというと、リモコンについている温度センサーを働かせることができるためです。ほとんどエアコンメーカーさんの温度センサーが本体についているため、床下エアコンのような取り付けられ方をした場合、床下の狭い空間や設置場所の狭い空間の温度を室温として捉えてしまって運転を自動でとりやめてしまうことがあります。そのため、今回はリモコンに室温センサーがついている霧ヶ峰シリーズのエアコンを選んでいます。

 

夏場も床下エアコン?

夏場の冷房は、床下エアコンには不向きです。冷たい空気を床上にあげてやるのが難しいのと、冷たい空気を土間コンクリートの床下空間に送り込むことで結露のリスクが増すためです。そのため、夏場のエアコンは床下エアことは別に室内の高い場所に一つつけてやります。高気密高断熱がしっかり施工されていることが前提で、冷気のながれなどがしっかり検討されていればエアコン1台で夏場をやり過ごすことも可能です。

 

冬夏を通じて、温めたり冷やした空気質維持のために換気扇から排出して、外気を吸気口からいれないように熱交換型の換気システムを導入するとさらに暖房、冷房効率があがります。ただし、数十万円かかるシステムですの予算配分のバランスに十分ご検討されてください。関西ですとあった方がいいに決まっているのですが、まずは高気密高断熱の基本施工をしっかりしてもらえるかどうかだと思います。

 

床下エアコンはまだまだ発展途上の技術です。エアコンメーカーさんもまだこのような設置方法については保証の対象外とされているようですので、取り付ける時などは工務店さんや設計事務所さんとしっかり話をされてください。

 

薪ストーブで床暖房する。注意点は吸気。

床下エアコン以外にも、空気を使って床下を温める空調システムがあります。有名どこですと空気集熱式のOMソーラー。当社も長年、OMソーラーに取り組んできました。

 

最近は薪ストーブ導入のご希望が多く、新築工事で何件か施工させていただいたのは、上記のイラストのようなものです。薪ストーブで温まった空気を床下に送り込んでやります。模式図では薪ストーブは2階にありますが、ストーブは1階でも構いません。ただ、床下エアコンのように薪ストーブを床下に設置してやることができませんので、ファンによって床下への熱気を送るのは必須となります。

 

薪ストーブ自身が輻射熱式の暖房器具なので、この仕組みなんかいらないんじゃないの?というご意見もあるでしょうが、薪ストーブのない部屋も含めて屋内の温度差をできるだけ均衡させれば、温度のバリアフリーにつながります。トイレや脱衣場に暖気が抜けるスリットをもうけてやれば、ヒートショックがおこる要因である温度差を軽減させてやることができます。

 

こちらのおうち(石切の家3)は上記のような薪ストーブで暖かくなった空気が天井付近にたまるので、その暖かい空気を床下におくるシステムになっています。このシステムだけで家全体の暖房とされています。非常に暖かいのですが、高気密高断熱での薪ストーブの吸気については注意が必要です。薪ストーブ近くに吸気口などでは十分でない場合がありますので外気導入システムのついた薪ストーブがベストです。

 

薪ストーブで温められた空気が勾配天井に沿って、頂上部分にたまります。ここで大事なのが気密です。天井部分に隙間があると熱気が逃げてしまいます。人が乗った熱気球のような重たいものでもあげてしまうように上昇気流がにげていくのを気密シートなどで押さえ込んでいます。

その押さえ込まれて溜め込まれていくあたたかい空気を、こちらのおうちではロフトに仕込んだリターン口から回収して、床下に送り込んでいます。

こちら1階ですが、ロフトから送り込まれた暖気が窓の前にあるスリット(吹き出し口)から、出てきます。

イメージとしてはこんな感じです。いわゆる温水式や電気パネル式の床暖房のようにあたたかいといったかんじではないですが、全館寒くないといった感じで温めることができています。前記のよくある皆さんがイメージされるようなパネル以外の部分はつめたいということもないので温度のバリアフリーが実現されています。

夏場のエアコンはやっぱり、室内の高所に一台設けて冷気が全館におりてくるという形になっています。

 

暖炉でも暖気を送って床暖房

薪ストーブだけでなく、暖炉でも暖気を床下に送ってやることはできます。こちらは鉄筋コンクリート造の建物です(滋賀県草津市の屋上緑化の家)。コンクリートの内側には吹付断熱を施して、窓はアイランドプロファイル社製の木製サッシュです)。写真中央の黒い部分がわかりにくいのですが、ベルギー製の暖炉になっています。

 

テレビのように見えますが、ガラスの仕切り板があって火の粉などが飛び出ないようになっています。ちなみに暖炉と薪ストーブの大きな違いは扉があるかどうかです(詳しくはまた今度)。

 

薪ストーブで床暖房。温水式か空気式、どちらがよいか?

薪ストーブで床暖房というと、薪ストーブで沸かしたお湯を床下配管に送り込む形で取り組まれている方多いようです。温水式の床暖房のガス給湯器の役割を薪ストーブに担わせるものが主流のようですが、薪ストーブ設置以外のイニシャルコストや将来のメンテナンス費などをくらべると、この暖気を床下に送り込むものの方が安いです。ただし、この形でしようと思うと気密断熱の工事がしっかりと行われていることが前提となります。

 

温水式の床暖房ですので温水コイルが敷かれているフロアはホットカーペットのようにあたたかくなるのでしょうが、こちらの方式ですとあたたかいというよりも全館寒くないというような感じになります。値段だけでなく、どのような暖かさを好まれるかによって選ばれる方法が変わってくると思います。

 

薪ストーブ自身が高価なのですが、組み合わせまでしなくても・・・とお考えもあるかもしれませんが、アローファンやダクトなどの部材だけですと10万円もしません。施工も汎用的な部材の組み立てだけとなりますので、新築で高気密高断熱で基礎断熱で、と諸条件がすでに重なっていらっしゃったら割と取り組みやすいのではないでしょうか。

 

ご予算が許せば、それぞれの欠点を補えあえる組み合わせというものがあるかと思います。

 

こちらの石切のi-wokrs1.0はOMソーラー搭載ですが、太陽のでない日や夜間などは薪ストーブをつかって床暖房で家を温めています。OMソーラーの利点は暖房もですが、窓を閉め切っていても晴れれば暖かい空気が家の中に送り込まれて換気されるところです。

 

こちらの奈良市の家は、ガスファンヒーターを主熱源にして暖気を床下におくる床下暖房システムにしています。奈良県下のとても寒い地域にお住まいですが、この一台で十分あたたかいというお話をいただきました。

 

いろいろな熱源はいろいろありますが、床下にあたたかい空気を送ってやる取り組みについてはまたレポートしたいと思います。薪ストーブで火を楽しめて家全体を温めるというのも捨てがたいですし、リーズナブルで汎用製品だけで床暖房が可能な床下エアコン、どちらもいいなーと思います。

 

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