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屋根瓦の種類とメリットとデメリット。気になる瓦屋根の修理や葺き替えの値段もお伝えします

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輝建設のコハラです。

 

今日は古民家にお住いの方がメンテナンスをどうしようかなーと考えている瓦屋根についてお話をします。古民家だけでなく、新築でも最近、人気が再燃しつつあるので新築で瓦を採用しようとお考えになっている方にも役に立つ情報をお届けしたいと思います。

 

今回は、瓦屋根の種類と特徴、メリット・デメリット、修理などについて解説します。ここ数年の台風被害で瓦屋根の風災害も多く、瓦屋根の情報について整理しておきたいと思います。あなたの屋根の上にどんな瓦が載っているのかご存知ですか。古民家で使われている瓦の多くは「いぶし瓦」か「釉薬瓦」ですが、それらの見分け方もお教えします。

 

瓦にはいろんな種類があります

屋根に載っているにはいろんな種類があります。屋根材の中で瓦は窯業系という区分に分類されていて、その中で大きく粘土系とセメント系の2種類にわかれます。

 

古民家に載っている瓦は、粘土系に属している瓦になります。陶器と同じく粘土質の土で形作ったものです。粘土を平らに乾燥させ、1,000~1,250℃の高温で焼き上げて作られます。出来上がった瓦は耐久性・防水性・遮音性に優れているのが特徴です。瓦の種類によって異なりますが、多くの場合は50年以上の耐久性があるのが最大のメリットです。日本瓦や和瓦と呼ばれることも多いです。

 

粘土瓦は製造過程や形の違いによって、多くの種類がありますが、焼き物のガラス質の絵具「釉薬(ゆうやく)」を使うかどうかによって大きく2つに分けられます。釉薬を使わない無釉系(いぶし瓦)、釉薬をつかった釉系(釉薬瓦)に分かれます。

 

あなたの古民家の瓦はどちらだったでしょうか? 昔は日本各地で瓦を焼いていましたが、いまではなかなか地域特有の瓦が廃れてしまって入手が困難なものが多いです。そのため、葺き替えや補修の場合は、もしかすると遠方の産地から取り寄せるということになるかもしれません。現在、瓦の三代産地といえば、三州瓦の三河地方(愛知県)、淡路瓦の兵庫県淡路島、石州瓦の島根県石見地方が有名です。

 

つぎの項目では、いぶし瓦、釉薬瓦について詳しく説明いたします。

 

 

いぶし瓦

いぶし瓦は釉薬を付けずに焼いた後、密閉空間でガスで煙を発生させていぶす(燻化)瓦です。瓦の銀色は、炭素に還元反応を起こさせるので、瓦の表面だけでなく裏面も割った断面も銀色になります。長年の使用期間中に何かの拍子にちょっとかけても目立ちにくいです。上の写真は葺き替え工事直後のいぶし瓦の写真です。

 

 

いぶし瓦は釉薬瓦に比べると釉薬を使用していない分、経年による色のムラがでることがありますが、この色むらも経年美化として、いぶし瓦の魅力のひとつではないでしょうか。

 

 

 

釉薬瓦

釉薬瓦は陶器瓦とも呼ばれ、瓦の表面に釉薬を塗ってから焼き上げた瓦屋根です。赤土で形成したベースの瓦に釉薬というガラス液を塗り、薄くかけて焼き上げていきます。瓦の表面が釉薬でコーティングされているため、瓦をとりつけたときのような色あいを長く保つことができます。焼き上げ時にガラス質の釉薬の成分によって多種な色の瓦がつくれるため、洋風な住宅にも採用されています。

 

青や緑の釉薬瓦は判別つきやすいのですが、上の写真のようにいぶし瓦のような灰色の釉薬瓦もあります。

 

2018年夏の関西を襲った台風19号の風災害対策の時に撮った写真です。下り棟の棟瓦が風でひっくり返って、釉薬が塗られていない部分は赤土色です。

 

瓦屋根の葺き方。瓦落下の原因の多くはここに起因しています

瓦の種類がわかったところで、オッケー、これでもう瓦屋根のこと分かったということなかれ、です。瓦の屋根でもう一つ大事なことがあります。それは、その取り付けの方法です。

瓦×施工方法=瓦屋根と言い表せるぐらい、超重要ポイントです。それでは解説していきますね!

 

 

土葺き工法(どぶき/つちぶき こうほう)

瓦が誕生して以来、昭和初期の頃まで、瓦屋根はほとんどがこの土葺き工法です。粘着力の高い葺き土を野地板の上に置いて、瓦をひっつけるという工法です。現在のように寸法が揃った材料が機械で安価に手に入れることができなかった時代では、屋根の下地のとなる野地や垂木、母屋などが不揃いであることも多く、そのため屋根下地に不陸と言われる水平レベルがバラバラとなりがちでした。

 

そのため、葺き土の厚さを整えて不陸調整をすることで瓦を水平に葺くことが可能でした。しかし、瓦の重さだけでなく、葺き土が屋根に乗る建物は現在のような耐震基準などがなかったため、瓦屋根を支える構造が十分でないものがたくさんありました。大地震のたびに崩壊する建物があったことは想像に難くありません。また、葺き土の粘着力は長い歳月を経ると落ちてくるので、地震や台風などで飛びやすく、1923年(大正12年)の関東大震災以降は土葺き工法は徐々に採用されなくなり、現在主流の引っ掛け桟瓦葺き工法(ひっかけざんかわらぶきこうほう)に取って代わることになります。

 

1995年(平成7年)の阪神大震災では、崩落した瓦屋根の多くは土葺き工法の屋根でした。それ以降は文化財など特殊な事例を除いて、ほぼ土葺き工法が採用されることはなくなりました。

 

瓦は一枚あたり、2,5kg〜3.0kg程度となります。一坪あたり約60枚弱使用しますので、一枚2.5kgとしても瓦だけで150kgとなります。土葺き工法の場合、そこに約100kg程度の葺き土が必要になりますので一坪あたり250kg程度の重量となります。

 

 

引っ掛け桟瓦葺き工法(ひっかけざんかわらぶき こうほう)

現在主流の工法です。水平方向に止めつけられた瓦桟(かわらざん)という下地材を打ち付け、そこに瓦の裏側のツメを引っ掛けて、釘で留めつけていきます。土を載せないので建物への重量負担が随分少ないです。

 

引っ掛け桟瓦葺き工法も、住宅金融公庫仕様で4枚に一本の釘の留め付けで良かった頃がありました。釘止めしていない瓦も瓦桟に引っ掛かっているので、通常、落ちてくることはなかったのですが、釘止めしていない瓦は手で持ち上げることが可能だったため、地震や台風などの時にずれたり、落下したりする可能性が残ります。

 

最近では、すべての瓦を釘で留める「全数釘打ち工法」で固定するようになり、以前の工法に比較しても瓦がずれたり、落下したりする危険性がかなり軽減されています。

 

このような耐震性能や台風対策などに対応した全日本瓦工事業連盟のガイドライン工法というものがあります。

 

引っ掛け桟瓦吹き工法は、土葺き工法に比べて地震対策としても有効です。瓦1枚2.5kgと考えた場合、1坪あたり、約60枚の瓦で150kg。瓦桟や釘やアスファルトルーフィングの重要が10kg程度として、合計で160kgです。土葺き工法の場合、坪あたり250kg程度の重量でしたので随分軽くなっています。屋根軽量化は耐震性能が改善されるので、耐震改修としてもよくつかわれる手法です。もちろん、木造住宅の新築の場合、引っ掛け桟瓦葺き工法で行うのはマスト!です。

 

引っ掛け桟瓦葺き工法で重要なことのひとつに、瓦すべてを釘で止めるということとともに、瓦桟が水平にうちつけらるために瓦の隙間から水が入ったときの対応をどのようにするかということに気を配らないといけません。

 

瓦、瓦桟の下に、ルーフィングと呼ばれる防水紙を敷かれて、雨水に対して最後の防御ラインとなります。この最終防御ラインに一番よく採用されているのが、アスファルトルーフィングといわれる商品です。

 

アスファルトルーフィングは、紙にアスファルトを染み込ませて、紙を巻いた時に紙同士がひっついてしまわないように砂や雲母を混ぜ、さらにその上にアスファルトを塗ったものです。最近では、伸びや曲げにすぐれるといわれている改質ゴムアスファルトルーフィングと言われるものが木造住宅ではよく使われています。

 

ややこしいのですが、アスファルトルーフィングを広義の意味で使う場合、アスファルトルーフィングも改質ゴムアスファルトルーフィングのどちらも指すことがあります。

当社お付き合いのある瓦屋さんが、オススメしているのはチャンピオン社さんのチャンピオンルーフィングシリーズです。チャンピオンルーフィングは、通常のアスファルトルーフィングとちがって、軟質弾性プラスチックルーフィングという種類のものです。

 

防水性能が高いのと、イボイボのようなものがありこのイボが瓦桟を浮かせるので雨水がまわったときでも瓦桟下をながれていきます。

 

 

水抜き桟木工法

瓦桟が水をせき止めないように排水口をしゃくってつくった瓦桟を取り付ける方法です。水が一応は抜けますが、水抜き穴のない部分に多少なりとも水が留まります。そのため、瓦がずれたりして雨水が頻繁に回るようになると瓦桟が劣化しやすくなります。

その雨水による劣化を遅らせるために樹脂製の瓦桟などが開発され使用されています。

 

 

 

この工法だと瓦桟に掛かる重量を野地板にまっすぐ下ろせるので、瓦桟がたわまないという業者さんもいらっしゃいます。

流し桟工法

3mm程度の厚みがあるキズリといわれるようなスペーサーを瓦桟の下に縦方向に流して、水が回った時はこのスペースに水が流れていきます。隙間があることで雨水が排出されるという考え方です。キズリの挿入ピッチを細かく入れないと瓦の重さで瓦桟がたわむ可能性があります。

 

キズリを前項の瓦桟のように樹脂にすることで劣化しにくいもので行っている業者さんもいます。

 

通気下地屋根工法

瓦桟の下に、流し桟といわれる縦桟をいれた工法となります。瓦の裏に回った雨水を排出する目的だけでなく、通気層を設けること空気の流通量が多く、雨に濡れてしまっても瓦桟や流し桟の乾燥が促されやすくなります。また、野地板の上に敷かれた防水シート(アスファルトルーフィングやタイベックなど透湿防水シートなど)に瓦を留めつける釘が穴を開けないので雨水侵入リスクが軽減されます。一坪あたり60枚程度の瓦を瓦桟に釘止めしますので、屋根全体でみると少なく見積もっても1000以上の穴を減らすことになります。

 

上の二つの工法にくらべて、桟木の材料費や工賃が増えるのでイニシャルコストはアップしますが、メンテナンス頻度は下がりますのでランニングコストはさがることになります。

 

流し桟間のピッチ間が遠すぎると、瓦の重みなどの経年変化で瓦桟がたわむことなどもあるので、そのあたりにも注意した施工が必要です

 

 

瓦屋根のメリット・デメリットは?

瓦の作り方の種類、瓦屋根の葺き方には様々な種類があることが分かりました。さて、これらのメリットとデメリットは何があるでしょうか?

 

 

瓦屋根のメリット

瓦屋根の最大のメリットは耐用年数30~50年と高い耐久性が挙げられます。いわゆる焼き物のため、経年劣化に強く丈夫で長持ちし、メンテナンスの必要性はほとんどありません。例えば、遺跡から発掘される土器や陶磁器も色褪せることなく原型を留めていますから、焼き物の耐久性は確かです。

 

他の屋根材にくらべると瓦のランニングコストが低いのは注目したいメリットです。

 

瓦屋根は遮音性にも優れており、雨の日は、気になる雨の音も板金屋根に比べるとほとんど聞こえません。

 

瓦屋根は他の屋根材と比べると意匠性の高さも注目ポイント。いぶし瓦は太陽の光が反射すると、日本建築らしい光沢のある渋い銀色の瓦が美しく印象的です。また釉薬瓦は釉薬によって様々な風合いが出せるので、古風な家屋から洋風なデザインまで対応することができます。

 

セメント瓦は瓦の中では軽量なので、建物にかかる負荷が少なくて済むのは大きなメリットです。また比較的瓦の中だけでなく、すべての屋根材を通してもイニシャルコストが安い部類に属しています。

 

瓦屋根のデメリット

瓦屋根の粘土瓦のデメリットとしては、瓦の重さです。1枚あたり2〜3kgあり、重量があるので建物への負担は大きいです。そのため、建物本体がしっかりとした構造でなければ地震の時などに瓦屋根の重さが悪影響を与えることがあります。最近では、新築や葺き替えでは桟葺き瓦といわれるような釘で下地の板に止め付ける工法が主流になっており、旧来の土を載せる工法に比べると構造にかかる負担もずいぶん軽減されています。

最近は、土を使わない軽量耐震工法が増えてきており、瓦自体も軽量化している傾向にあります。

瓦屋根の家で耐震性能を向上させるなど詳しいことは、耐震工事を施工する工事業者さんや設計事務所さんにご相談してください。

 

 

台風や地震など自然災害があったときに瓦が落ちて割れる可能性があります。震災のニュースでは、瓦屋根が崩れ落ちているシーンなどを見かけますが、昔の工法では瓦は釘などで屋根の野地板に固定されていません。土葺きと言われる方法で土で屋根に接着させています。地震などで建物が大きく揺れたり、台風などで強い風に巻き上げられたりすると、瓦が落ちることが多々あるのはそのせいです。近年では、桟葺き工法といわえるような釘止めが主流となっていますので、落下や飛散リスクも軽減されています。

 

瓦、とりわけ粘土瓦の最大のデメリットはその初期費用の高さがあげられます。屋根材の中では比較的価格が高く、新築時に初期費用が高くさせてしまう要因のひとつになるかもしれません。

 

しかし、耐久性が抜群に高い瓦屋根は、メンテナンスサイクルがながいため、ランニングコストがよく、長い目で見るとコストパフォーマンスが良いといえます。30年が日本の住宅の平均建て替えサイクルなどと言われていますが、そのような短寿命の家ではなく、より長期に家を数世代に渡ってお住まいになられるのであれば、イニシャルコストを相殺できるかもしれません。

 

また、ここ数年の台風の風災害で、瓦がずれたり、飛ばされたりしているのを風災害により飛ばされているのをよく見かけますが、粘着力の弱まっている昔ながらの土葺きの瓦屋根では起こりやすい事象ですが、桟葺きではその可能性がずいぶん軽減されると思います。

 

古い瓦屋根で風災害などの巻き上げられたものが落下すると衝撃によって割れてしまう可能性が高いです。板金屋根に比べると一つあたりの部品が小さいので接合部分が多く、雨漏りする可能性の箇所が増えるなどがデメリットとして考えられます。また入母屋、降り棟などの構造が複雑な形状をしている場合、防水と排水対策をしなければ雨漏りを引き起こします。

 

 

 

瓦屋根の点検、メンテナンス

業者点検やメンテナンスは10年に1回程度を目安にすればよいでしょう。瓦自体は劣化しないので、踏んだり落下物などの外部要因で割れたり、ずれたりしていなければ問題はありません。万が一、屋根にぶつかってヒビが入ったり壊れたとしても部分的な葺き替え工事が可能です。

 

業者点検の際に、注目しておきたいポイントですが、瓦の下の、葺き土の粘着力の低下、葺き土下のトントンと言われる防水紙代わりに敷かれていたサワラという木の薄い板の劣化、引っ掛け桟瓦葺き工法でも瓦桟の痩せや防水紙の劣化などです。このような瓦をめくらないとわからない瓦の下の箇所は専門外の方にはなかなか判断のつかないところだと思います。

 

ズレている瓦の補修と漆喰を詰め直すだけであれば数万円程度と比較的安価に補修してもらえます。こまめに点検を行うことで瓦屋根はもちろんですが、防水層、屋根下地の木部分が痛まないようにすることがランニングコストをさらに抑えることにつながります。

 

瓦屋根の雨漏りのよくある原因

雨漏りが発生した場合、どんな原因が考えられるでしょうか?

 

瓦がズレた

風や地震などで瓦がズレたりすることがあります。数枚程度のズレであれば、瓦屋さんに作業をして貰えば簡単に直すことができます。台風被害のように全体でずれてしまうと本格的な修繕工事が必要となってしまいます。

上記のように土葺き工法の場合、葺き土の粘着力が低下しているとずれやすくなっています。ずれた箇所から雨水が侵入します。

 

瓦が割れた

1960年代に引っ掛け瓦桟工法で吹かれた屋根。2018年の大阪を襲った台風19号で被害にあいました。丁寧な施工でこの家の瓦は飛ぶことはなかったのですが、隣の家の瓦が飛んできて瓦が割れたところから水が回って防水紙などが傷み出していました。部分的な補修も可能ですが、その場合は同じ形状、寸法の瓦があるかどうかがポイントとなります。

 

落下物などで瓦がわれることもあります。その場合は同じ大きさの瓦で割れた箇所のみ葺き替えをすることもできます。上のお宅で瓦の色が違うところは瓦を入れ替えたと思われます。

 

防水紙が雨水によって劣化した

瓦の割れやズレを長年放置していると、侵入した雨水によって防水層が少しずつ劣化していきます。防水層とは、前述のアスファルトルーフィングなどの防水紙、古い土葺き工法の屋根なら、トントンと言われる防水紙代わりに敷かれていたサワラの薄い板や松などの木の皮が傷み、その下の木部分が傷みだします。

 

 

このような劣化した箇所から雨漏れが起きると、上記写真のように木部などの下地部分が傷んでしまいます。このような事態まで雨漏りが進んでしまうと木下地の補修工事も必要となります。

 

木工事まで必要となると当然、補修費用が大きくかさみます。防水紙を補修するために瓦を雨漏りした箇所を中心に大きくめくってやらないと作業ができませんが、木下地の補修工事が必要な事態になるまで、放置しておくのは危険です。

 

漆喰が剥がれてきた

瓦と棟の間には漆喰が塗り込んでありますが、風雨により徐々に剥がれてしまうと、防水効果が弱くなり雨漏りの原因となります。瓦業者さんまたは左官屋さんに塗り直してもらう必要があります。

 

ルーフィング(下葺き材)の経年劣化

屋根本体や板金の下にはルーフィング(下葺き材)という防水シートが敷きこまれています。屋根材や板金から漏れた雨水を防ぐ役割のルーフィングの寿命は約15年から20年と言われています。15年をすぎたころからは屋根の点検時にルーフィングの状態も点検してもらうことをお勧めします。

 

雨仕舞板金が錆びた

瓦屋根で板金??? とおっしゃられるかもしれませんが、瓦屋根の谷部分や、瓦で収まりがつかない部分については板金にて雨水の侵入を防ぎます。これらの雨仕舞い板金の経年劣化により錆びると、へこんだり穴があいて雨漏りの原因となります。近年は、サビに強いガルバリウム鋼板やステンレスが使われていますが、昔の住宅は耐久性能は低くサビやすいトタンが主流でした。さらに古い時代は銅でした。トタン板金は台風による風の影響を受けやすく10年程度で劣化するので注意が必要です。

 

瓦に比べると耐用年数が短いですので、定期的な点検がより必要なところです。屋根全体の葺き替えまでに繋がらないですので、雨漏りしがちな箇所に使われる板金部分はできるだけ早く入れ替えなど補修されることが望ましいです。

 

瓦屋根のDIY修理について

瓦屋根は経年劣化により、知らない間に割れやズレが起こることがあります。気が付かずにそのまま放置すると、割れた隙間から雨水が侵入して、雨漏りの原因となるので要注意。瓦屋根の修理はできるなら自分で行いたいと思う方もいるでしょうが、屋根の修理は高所での作業になるため、おすすめいたしません。

 

高所での屋根作業、専門業者による工事や補修になります。屋根の被害状況を見て原因を突き止め、被害に合わせた修理方法の提案が必要です。

 

瓦屋根から雨漏りを発見しても、その原因を突き止めるまでには時間がかかることもあります。また最近は瓦施工の業者さんが少なくなってきているため、施工の準備までに時間がかかることも多いです。特に大阪近郊では2018年第21号の風災害以降、瓦屋根工事の順番待ちが続いています。

 

瓦葺き替えの費用ってどれぐらい?

 

瓦屋根の補修工事は痛んだ部分だけを部分補修工事するか、全体を補修する葺き替え工事があります。屋根を葺き替える場合は、自宅の屋根面積を知っていると後は各工事費用の1平米あたりの費用を計算することができます。

 

2階建て、屋根面積100平米程度(1階85平米、2階15平米)

仮設足場 約45万円

瓦撤去処分 約30万円

野地板補強 約20万円(針葉樹合板12mm)

ルーフィング葺き 約15万円

瓦桟葺き 約7万円

瓦葺き 約110万円

板金工事 約7万円(樋除く)

左官工事 約30万円

他雑工事 約30万円

諸経費  約30万円

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約314万円(税別)

屋根の形状などによって、谷樋の板金工事や漆喰の使用量が多くなると費用が高くなるので注意しましょう。

 

 

風災害の屋根の補修や葺き替えは火災保険でカバーされる?

台風や強風などの自然災害によって屋根が破損した場合、瓦屋根に限らず火災保険で修理費用がカバーされます。屋根の補修を保険で行うには、自身か加入している火災保険が風災に対応していることを確認してください。台風以外の突風なども強風として風災補償の対象となり、火災保険によって被害が補償されます。ただし、調査によって老朽化による破損と判定された場合は、保険金は支払われないということもあるのでご注意ください。

 

台風などで屋根が被害を受けた場合は、まずは状況写真をとっておくこと。後々に保険会社に提出する資料となります。写真は、被災状況の遠景、中景、近景の他に近隣の写真もとっておいてください。雨漏りなどで室内に被害があった場合も写真をとっておくことをお勧めします。

 

また、強い台風の後には火災保険を目当てに、無料の屋根修理を謳った悪徳業者の訪問販売が増えるという話を聞きますので、安易に契約などしないようにご注意ください。

 

【まとめ】瓦屋根って結局どうなの? メリットとデメリットから考える

今回は、瓦屋根の種類や特徴をご紹介していきました。瓦屋根は長持ちして見た目も良く、デザイン性も高いです。他の屋根よりも初期費用は高くなりますが、長期にわたって水の浸透を防ぐことができる耐久性がメリットです。長い目で見るとコスパの良さもおすすめポイントです。

 

瓦単体でみると耐久性が高いのですが、複雑な取り合いのある屋根形状などの場合、定期的な点検をすることをお勧めいたします。メンテナンス費用もほとんど必要ないので、ぜひ瓦屋根を検討してみてはいかがでしょうか?

 

 

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