SGL鋼板。ガルバリウム鋼板より高耐久。メリット、デメリットも解説。

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Date : Oct 10th Fri, 2025
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ガルバリウム鋼板を改良
ガルバリウム鋼板。家づくりを始める前は、なんじゃそら?といった感じだったかもしれません。が、家のことをあれこれ調べだすと、必ず出てくるこの名前。
軽くて丈夫、そしてコスパもよく、今では屋根材の定番となっているガルバリウム鋼板。いまでは頼りにしてます、という感じでしょうか。
でも最近は、そのガルバリウムをさらに改良した「SGL鋼板(エスジーエル鋼板)」という素材が登場しているのはご存知でしょうか。
今日はその“SGL鋼板”、つまり「ガルバリウムの進化版」について、少しお話しします。
SGL鋼板とは?
最近、屋根材のカタログやホームページなどで「SGL鋼板(エスジーエル鋼板)」という言葉を
見かけることが増えてきました。
SGL鋼板は、ガルバリウム鋼板をベースに、マグネシウム(Mg)を2%ほど追加した“次世代の金属屋根材”で、ちなみにSGLというアルファベットは(Super Galvalume Steel Sheet)の略。GLは「Galvalume(ガルバリウム)」の略になります。ガルバリウム鋼板のことをGL鋼板とよぶこともあります。
SGL鋼板のすごいところ
さて、SGL鋼板のマグネシウムがすごさのポイント。マグネシウムは切断面や傷の部分でも腐食を抑える力が強く、メーカーである日本製鉄さんの試験ではガルバリウムの約3倍の耐食性があると発表されています。
つまり、同じ環境でも長持ちしやすい。特に塩害地域や風雨にさらされやすい環境ではSGL鋼板の真価が発揮されるというわけです。
SGL鋼板とガルバリウム鋼板の違い
まずは、通常のガルバリウム鋼板とSGL鋼板の違いを表にまとめてみました。
比較項目 | ガルバリウム鋼板 | SGL鋼板 |
耐食性 | 高い | 約3倍の耐食性能(Mgの効果) |
傷・端部のサビ | やや弱い | Mgで自己修復性あり |
加工性 | ◎ | ◎(同等) |
価格 | 標準的 | やや高め(+5~10%程度) |
耐用年数 | 20~30年 | 30~40年程度(条件により) |
もちろん、後発で高付加価値のSGL鋼板のほうがいろいろといいところが多くなっています。
SGL鋼板をおすすめしたい場面
・海の近くなど、塩害のリスクが高い地域
・屋根勾配が緩く、水はけが悪くなりがちな形状
・外壁に金属サイディングを使うなど、長寿命を狙う家
こういった条件では、
SGL鋼板の「耐久性の高さ」が活きてきます。
逆に、
・内陸部で
・屋根がシンプルで
・定期的に掃除や点検ができる
という場合は、従来のガルバリウムでも十分かなという気がします、
SGLl鋼板にも注意点があります
「SGLだからメンテナンス不要」と思われがちですが、
完全メンテナンスフリーではありません。
軒下や庇下など、雨が当たりにくい部分は汚れや塩分が残りやすいので、数年に一度は点検・清掃をしておくと安心です。
また、メーカー保証には「海から500m以上離れていること」などの条件が設定されている場合もあります。ご自宅の立地に合わせて確認しておくのが大切です。
まとめ:長く使うならSGLも候補に
SGL鋼板は、ガルバリウム鋼板の良さを引き継ぎつつ、より長持ちするよう改良された素材です。
初期コストは少し上がりますが、メンテナンスの回数が減る分、長期的にはコストパフォーマンスが良くなる場合もあります。
屋根や外壁の素材を選ぶときには、家の立地・形状・暮らし方に合わせて、「どちらが合うか」を一緒に考えていきましょう。