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京都の町家とは?購入or賃貸? 決定前に知っておきたい情報

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「いつか町家に住んでみたい」「京都らしい暮らしにあこがれる」──そんな気持ちを抱いたことはありませんか?でも、どこで探せばいいの? 賃貸ってあるの? 直すにはどうしたら?と、いざ考え始めるとわからないことばかりですよね。

 

町家は魅力がいっぱいの住まいですが、普通の住宅とは違う視点や準備が必要な存在でもあります。構造の古さ、法的な制限、そして維持管理や資金計画…しっかり知っておくことで、失敗を防げます。

 

私たちは、町家を含む古民家再生工事を25年以上にわたって手がけてきた工務店として、数多くのお客様と町家とのご縁をつないできました。その中で得た知識と経験をもとに、この記事をまとめました。

 

本記事では、町家とは何か、購入や賃貸のポイント、リノベーションで大切なことまで、わかりやすく丁寧にご紹介しています。読むことで、町家と自分の暮らしの“ちょうどいい距離感”が見つかる情報になれば幸いです。町家暮らしを迷っている方もお読みいただいて、これまで不明点解消ための参考になるかもしれません

 

町家との暮らし方はひとつじゃない。
あなたらしい町家との付き合い方、ここから探してみましょう。

 

この記事で得られる5つのポイント

  • 町家とは何か、その歴史的背景と京都に根づく文化がわかる
    通り庭や格子戸など、町家独自の構造や意匠の魅力について、わかりやすく紹介しています。
  • 町家を購入・賃貸する際の具体的な流れと注意点を把握できる
    物件の探し方やローン、契約時のポイントまで、実際に住むためのリアルな情報を網羅しています。
  • 町家のリノベーションで重要な耐震・断熱性能向上と意匠保持の両立が学べる
    古さを活かしながら、安心して暮らすための技術と工夫について、工務店目線で詳しく解説しています。
  • 事業用途としての町家活用(店舗・職住一体)に関する制度や費用感が理解できる
    家賃相場や看板規制など、事業として町家を借りるときのリアルな注意点も掲載しています。
  • 町家との出会い方・暮らし方を見つけるヒントが得られる
    「賃貸から始める町家ライフ」や「地域とつながる住まい方」など、未来の自分の暮らしを想像するヒントが詰まっています。

 

 

1-1. 町家とは? 町家の特徴など解説

「町家(まちや)」という言葉はよく耳にするけれど、実際どんな建物のことを指すのか、しっかり説明できる方は少ないかもしれません。

 

町家とは、江戸時代から昭和初期にかけて京都の市街地に建てられた、住まいと仕事場が一体になった木造の建物のことです。外から見てもすぐにわかる格子戸奥に向かって細長く続く間取り(通称「うなぎの寝床」)、自然の光と風を取り込む坪庭通り庭といった構造が特徴的です。

 

こうした造りは、かつて多くの町家が「住まい」と「商い」を両立させる場所だったことに由来しています。通りに面して商売をし、奥で家族が暮らすというスタイルが、自然と建物の形にも表れているんですね。

 

さらに町家は、その土地や時代の暮らし方に合わせてつくられてきた建物でもあります。大量生産された今の住宅とは異なり、一軒一軒が“顔”を持っているのが町家の面白さです。

 

つまり町家とは、機能性と美しさ、そして地域性が融合した建築。ただ古いというだけではない、長年にわたって人々の暮らしを支えてきた奥深い魅力が、そこには詰まっています。

 

1-2. 京都ならではの町家の歴史

町家のルーツをたどると、その始まりはなんと平安時代にまでさかのぼります。長く日本の都として栄えてきた京都では、人々が暮らし、働くための建物が時代ごとの暮らし方に合わせて発展してきました。

 

とくに江戸時代以降には、商人たちが「住む」と「商う」を両立するための建物として町家が定着。表が店舗、奥が住居という構造が広がり、通りに面した格子戸や、細長い間取りなど、今に続く町家のかたちができあがりました。

 

さらに明治、大正、昭和初期にかけて、町家はそれぞれの時代の建築様式や工夫を取り入れながら進化。和の伝統とモダンが融合した町家も多く生まれました。

 

こうして受け継がれてきた町家は、京都というまちの風景や文化の象徴にもなっています。一棟の町家が語る物語には、そこで暮らした人々の歴史やまちの記憶がたっぷり詰まっているのです。

 

現代に残る町家は、単なる建物ではなく「文化資産」ともいえる存在。今後も大切に住み継いでいくことが、京都らしさを守りながら未来につなげる鍵になるのではないでしょうか。

 

 

1-3. 現代の暮らしと町家

最近、「町家に住んでみたい」「町家を自分らしく使いたい」という声を若い世代からもよく耳にするようになりました。その理由のひとつは、町家にしかない独特の“余白”と“味わい”に惹かれる人が増えているからです。

 

新築やマンションでは得がたい、自然素材のぬくもりや、空気の通り道がある暮らし。町家の間取りや空間の構成は、忙しい日々の中でふと心をほどいてくれる存在になってくれます。

 

とくに、リモートワークや在宅時間の増加をきっかけに、家の中で「落ち着く空間」を求める人が急増。町家の静けさや、やわらかな光が差し込む畳の部屋に、癒しや安心感を感じる方も多いようです。

 

さらに、町家の空間には暮らしを自由にアレンジできる楽しさもあります。使い方を少し変えるだけで、仕事部屋になったり、趣味のスペースになったり…。“自分の暮らしに寄り添う家”として育てていけるのも、町家の大きな魅力です。

 

つまり町家は、過去のものではなく、今の暮らしにフィットする住まいのかたち。古いものをただ残すのではなく、新しい価値として受け継ぐ暮らしが、静かに広がりつつあるのです。

 

 

 

1-4. 現代に再評価される京都町家の魅力

町家が今、改めて注目されている理由のひとつに、“落ち着き”や“心の余裕”を感じられる空間性があります。忙しい毎日の中で、町家の静けさや自然との距離感が、暮らしに心地よいリズムを取り戻してくれるのです。

 

たとえば、朝の光がふんわり入る坪庭を眺めながら過ごす時間や、軒先で雨音に耳を傾けるひととき。どこか懐かしく、でも新しい、そんな感覚が町家にはあります。

 

また、町家には住まいの中に“余白”があるのも魅力。必要以上に機能や設備を詰め込まず、「使い方は住む人次第」という柔軟さが残されているからこそ、暮らしの自由度が高いのです。

 

さらには、素材や手仕事の美しさも町家ならでは。年月を重ねた木の柱や、和紙を貼った建具など、目にするたびに心がふっと和らぐような要素が、家のあちこちに宿っています。

 

町家はただの「古民家」ではなく、現代の暮らしにこそ響く感性を持った住まい。その価値が、これからさらに広がっていくはずです。

 

 

1-5. 町家とまちとの関係性

町家の魅力は建物そのものに留まりません。実は、「まち」との関係性こそが、町家を町家たらしめる要素でもあるんです。

 

通りに面した格子戸、軒先に並ぶ鉢植え、玄関先を掃除するご近所さん。町家の暮らしは、自然と地域とつながる工夫に満ちています。ふとしたあいさつや季節の行事など、地域のリズムの中で生きる喜びを感じられるのも、町家ならではの風景です。

 

また、建物の構造そのものが「ひらかれている」のも特徴です。たとえば通り庭や土間は、外と内をやさしくつなぐ中間領域。この曖昧さが、地域との関わりを育てる空気感を生み出しています。

 

現代の住宅ではプライバシーが優先されがちですが、町家はむしろその逆。人と人との関係性が自然に育まれるつくりが、今の時代にはかえって新鮮に感じられるかもしれません。

 

町家に暮らすことは、単なる家選びではなく、「まち」とどう付き合っていくかという選択でもあります。そこには、建物以上の価値や豊かさが詰まっているのです。

 

 

京都で町家を購入するには

2-1. 京都町家の物件探しのポイント

いざ「町家を買いたい」と思っても、普通の不動産探しとは少し勝手が違うのが町家の世界。そもそも流通している数が少ないうえに、物件ごとに状態も特徴もバラバラです。

 

まず意識しておきたいのが、自分がどんな町家に住みたいのかというイメージ。たとえば、「観光地の近くで静かに暮らしたい」「庭付きの町家で四季を感じたい」など、“町家でどんな暮らしをしたいか”を明確にしておくことが大切です。

 

そのうえでおすすめなのが、町家に強い不動産会社や工務店と連携すること。古い建物の評価や改修の可能性を見極めるには、専門的な目線が欠かせません

 

また、気になる物件が出たら、できるだけ早めに内覧するのもポイント。町家はタイミング勝負の面もあり、「良いな」と思ったらすぐに動く姿勢が大事です。

 

町家探しは少し手間がかかるかもしれませんが、その分「本当に住みたい家」に出会えたときの喜びは格別。妥協せず、自分にフィットする一棟を探してみましょう。

 

 

2-2. 京都町家購入のメリット・デメリット

町家を購入する魅力はたくさんありますが、“古い建物ならでは”の特性や注意点もあるのが正直なところです。ここでは、実際に購入を検討する際に知っておきたいメリットとデメリットを、ざっくりと整理してみましょう。

 

まずメリットとして大きいのは、京都という場所ならではの住環境や雰囲気を、日常として味わえること。観光で訪れるのとは違い、“暮らしの中に京都がある”という贅沢を体感できます。

 

また、町家は一棟貸しや店舗併用住宅にもなりやすく、暮らしと仕事のバランスを柔軟にデザインできる点も魅力のひとつ。職住一体型の暮らしを検討している人にもぴったりです。

 

一方でデメリットとして挙げられるのは、築年数による老朽化のリスクです。購入時には、屋根や構造、基礎などの状態をしっかりチェックすることが必須になります。

 

さらに、景観規制や改修制限、補助制度の対象条件など、地域独自のルールがある場合も。知らずに購入してから「思ったように直せない」となる前に、自治体の制度や文化財指定の有無などを確認しておきましょう。

 

町家の購入は、普通の不動産とは少し違った“準備と覚悟”が必要です。でも、そのぶん得られる暮らしの豊かさや満足感は、ほかにはない特別なもの。デメリットもきちんと受けとめた上で選ぶことが、成功のカギになります。

 

 

2-3. 京都町家購入にかかる費用と資金計画

町家を購入する際には、物件価格だけでなく「改修にかかる費用」や「維持費」など、トータルでの資金計画を立てることがとても大切です。一見お手頃に見える物件でも、実は改修コストがかかることが多いのが町家の特徴です。

 

たとえば築80年以上の町家で、構造補強や断熱改修、水まわりの交換を含むフルリノベーションを行う場合、数百万円から、内容によっては1,000万円以上かかるケースもあります。“購入価格+改修費”で、総額を見積もる意識が必要です。

 

また、町家の購入には住宅ローンの活用も可能です。ただしここで注意したいのが、購入後の用途によって融資の条件が変わるという点です。

 

居住専用として使う場合は、通常の住宅ローンが利用できますが、店舗併用住宅(職住一体)や事業利用を想定している場合は、住宅ローンが使えないケースもあります。そのため、用途が明確でない場合は、事前に金融機関に相談しておくことがとても重要です。

 

さらに、自治体によっては、景観保存や伝統建築保全のための補助金制度を設けているところもあります。制度を上手に活用すれば、リノベーション費用の一部を軽減できることもありますので、必ず確認してみましょう。

 

町家の購入には一般住宅とは違うハードルがありますが、計画と準備をしっかり整えることで、自分らしい町家暮らしを実現することができます。お金の面でも安心して進めるために、早い段階から情報収集を始めるのがおすすめです。

 

 

2-4. 京都町家リノベーションの可能性と注意点

町家を購入した後、多くの方が行うのがリノベーションです。古い建物だからこそ、自分たちのライフスタイルに合わせて快適に住めるよう、現代的な性能とデザインを加えることが求められます。

 

まず大切なのは、構造的な安全性をしっかり確保すること。築年数の古い町家では、耐震補強は欠かせない要素です。耐震壁の追加や基礎の補強など、地震に備える改修を前提に考えることが安心への第一歩です。

 

同様に、断熱性能の向上も現代の暮らしでは重要です。昔の町家は風通しは良くても、冬の寒さや夏の暑さが厳しいという側面があります。内窓の設置や床・天井への断熱材の施工など、断熱リノベで住み心地は大きく変わります

 

ここで心がけたいのは、「性能を上げる=雰囲気を壊す」ではないということ。経験のある工務店であれば、格子や柱など伝統的な意匠を残しつつ、しっかりと性能を向上させる施工が可能です。

 

外観だけでなく、内部のしつらえにも配慮することで、町家の魅力を活かした、上質で心地よい空間づくりが叶います。「古さ」を味として活かしつつ、「安心・快適」に暮らせるバランスが、町家リノベの醍醐味といえるでしょう。

 

また、リノベーションに関する規制や申請手続きも事前に確認しておくことが大切です。とくに景観地区内や歴史的保存建物に該当する場合は、自治体との調整や設計ルールへの配慮が必要になります。

 

町家のリノベーションは、ただきれいに直すだけではなく、歴史と調和しながら新しい価値を生み出すプロセス。そこには豊かな創造性と、地域とのつながりを育む楽しさがあります。

 

 

2-5. 京都町家購入後の暮らしとメンテナンス

町家を手に入れてからが、本当の「町家暮らし」の始まりです。住みながら手を加えたり、工夫を重ねたりして“自分の町家”に育てていくことこそが、町家ならではの楽しみでもあります。

 

ただし、長く快適に住み続けるためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。木造の建物は、湿気や気温差の影響を受けやすく、放っておくと劣化が進みやすい側面もあります。

 

たとえば、屋根や外壁の点検は数年おきに、建具や床下の状態も定期的にチェックしましょう。問題が小さいうちに対応すれば、大きな補修にならずに済むことが多いです。

 

また、町家の暮らしには手間をかける楽しさもついてきます。障子を張り替えたり、庭の草木を整えたりといった作業が、日々の暮らしに「手仕事」の豊かさをもたらしてくれます。

 

さらに、工務店や専門業者とのつながりを持つことも大きな助けになります。困った時にすぐに相談できる連絡先があると、安心して町家生活を続けることができます。

 

町家は「住みながら付き合っていく住まい」。少しずつ手をかけながら、自分らしい暮らしを築いていくプロセスそのものが、かけがえのない体験になるはずです。

 

 

京都で町家を賃貸するには

3-1. 京都の町家賃貸市場の現状と動向

「町家に住んでみたいけど、いきなり購入するのはちょっと不安…」という方には、まずは賃貸で町家暮らしを体験してみるのがおすすめです。気軽に始められる選択肢として、町家賃貸の需要はじわじわと高まっています

 

実際、京都市内には居住用・事業用問わず賃貸に出ている町家も一定数存在しています。ただし、町家はひとつとして同じものがなく、条件や状態が物件によって大きく異なるため、根気強く探す姿勢が求められます。

 

賃料の相場としては、一般的な居住用町家で月8万〜15万円前後が目安。設備の新しさや立地によって差があるので、自分にとって優先したい条件(広さ・築年・交通利便性など)を明確にしておくと探しやすくなります。

 

町家を賃貸で借りるメリットは、維持管理の負担が少なく、町家の暮らしを気軽に味わえること。その一方で、物件によっては改装が制限されるなど、自由度に限りがある場合もあるため、契約前に細かく確認することが大切です。

 

まずは短期で暮らしてみて、自分に合っているかを感じてみる。そのうえで、長期的な住まい方を考える──賃貸から始まる町家との出会いも、とてもおすすめです

 

 

3-2. 京都で町家暮らしを賃貸で楽しむメリット

町家の賃貸には、「いきなり買うのはハードルが高いけど、まずは暮らしてみたい」という方にとってちょうどいいステップになるという魅力があります。体験しながら、自分にとって本当に合う住まいかどうかを見極められるんです。

 

賃貸なら、初期費用を抑えつつ町家の魅力を気軽に体感できるというのも大きなメリット。格子戸や畳の間、坪庭のある暮らしが、日常として味わえるのは、やはり町家ならではの魅力です。

 

また、町家の多くは住宅街のなかに溶け込むように建っているため、暮らすことで地域とのつながりを自然に感じられます。ご近所とのちょうどいい距離感があるのも、町家暮らしの心地よさのひとつです。

 

さらに、住まいとしてだけでなく、アトリエや仕事場、ギャラリーとして活用できる町家もあります。「職住一体型」のライフスタイルを試してみたい方にもぴったりです。

 

もし気に入った物件に出会えたら、将来的に購入へつなげることも可能かもしれません。まずは「暮らしてみること」が、町家との一番自然な付き合い方なのかもしれませんね。

 

 

3-3. 賃貸契約時に注意すべき町家特有のポイント

町家を賃貸で借りる際は、一般的なアパートやマンションとは少し異なる「町家ならでは」の注意点があります。契約前にしっかり確認しておくことが、トラブル回避の第一歩です。

 

まずチェックしたいのは、改修やDIYの可否。町家の多くは文化的価値が高く、オーナー側で厳格に管理されているケースも多いため、自由に手を加えることができない場合があります。

 

また、断熱や防音性能が現代の住宅よりも劣ることがある点にも注意が必要です。冬の寒さ・夏の暑さ対策をどこまで自分で準備できるか、事前に確認しておくと安心です。

 

次に、家財保険や設備に関する取り決めも重要です。古い建物特有のトラブル(雨漏りや建具のゆがみなど)が起こった場合、どこまでが借主の責任で、どこからが貸主負担かを明確にしておきましょう。

 

そして、景観地区や文化財登録物件などの法的な縛りがある場合、看板や外観変更にも制限があることがあります。お店を始めたい方は、必ず用途の可否をオーナーや不動産会社に確認してください。

 

町家は独特の魅力がありますが、それと同時に「古い建物とどう付き合っていくか」という視点も欠かせません。事前の確認と納得が、快適な町家賃貸ライフのカギになります。

 

 

3-4. 店舗・事業用として町家を借りる際の注意点

京都の町家は、その雰囲気や立地の魅力から、カフェやギャラリー、アトリエなどの事業用途でも人気です。ただし、店舗として使う場合は、居住用とは異なる注意点があるので、事前のチェックが欠かせません。

 

まず押さえておきたいのは、事業用途としての使用が可能かどうか。すべての町家が店舗利用を前提に貸し出されているわけではなく、用途制限や地域の規約で不可の場合もあるため、物件選びの段階で必ず確認しましょう。

 

また、店舗利用となると家賃相場が居住用より高くなる傾向があります。京都市中心部の人気エリアでは、月額15〜30万円前後が目安となり、条件によってはそれ以上の場合も。初期費用や内装工事費も含めた予算計画が重要です。

 

加えて、外観やサイン(看板)などの規制にも注意が必要です。特に景観地区では、自治体の指導により看板サイズや色、設置方法に制限があるため、事前に相談・申請が求められるケースがあります。

 

さらに、ご近所との関係性も大切です。住宅街の中にある町家を借りる場合は、営業時間や騒音、車の出入りなどに配慮する必要があります。地域との良好な関係づくりが、長く営業を続けるカギとなります。

 

町家を使ったお店には大きな魅力がありますが、「ただ借りればいい」ではなく、地域性・ルール・費用面などを総合的に考えながら計画を立てることが大切です。

 

 

3-5. 町家賃貸から始まる新しい暮らし

町家を借りるという選択は、ただの「仮住まい」ではなく、自分らしい暮らし方を試すきっかけになります。新しい住まい方の可能性を広げてくれる入口として、町家賃貸はとても魅力的です。

 

たとえば、丁寧な暮らしや地域との関わりを大切にしたいと考えている方にとって、町家はまさにぴったりの環境。歴史ある空間での生活は、日々の時間の流れをゆったりと感じさせてくれます

 

また、住んでみることで初めて見えてくる「不便さ」も含めて、町家の魅力。その不便さをどう楽しみ、どう付き合っていくかを試せるのが、賃貸というスタイルの良いところです。

 

そして、町家暮らしを通じて「本当に大切にしたいこと」が見えてくるという方も多くいらっしゃいます。次の住まい選びやライフプランに影響を与えてくれるような体験になるかもしれません。

 

「町家を買うかどうかはまだわからないけれど、ちょっと住んでみたい」「京都らしい暮らしを体験してみたい」──そんな思いを持った方は、町家の賃貸から一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか

 

 

まとめ

町家とは、ただの「古い家」ではありません。そこには何十年、何百年もの人の暮らしや、まちとのつながりが息づいています

 

京都をはじめとする歴史ある地域に残る町家は、今あらためて住まいとしての価値を見直されています。購入するにせよ、賃貸するにせよ、リノベーションするにせよ──そこには丁寧な準備と、暮らしを楽しむ気持ちが必要です。

 

今回の記事では、町家の特徴、探し方、購入や賃貸のポイント、リノベーションの注意点まで幅広くご紹介しました。少しでも「町家っていいな」と感じていただけたなら、とてもうれしく思います。

 

私たちはこれまで、町家を含む古民家再生工事を25年以上手がけてきた工務店として、多くのご相談にお応えしてきました。「どこから始めたらいい?」「この物件、見てもらえますか?」など、どんな小さな疑問でも、気軽にご相談ください

 

町家暮らしは、時間とともに育てていく住まい方。住みながら、自分らしい暮らしを少しずつ築いていく──そんな未来を、あなたも町家と一緒に描いてみませんか?

 

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