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構造用合板とは何? 厚みとサイズ。価格と種類など。どんなところで使うか。

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「構造用合板」って、名前はよく聞くけど正直どれを選べばいいか分からない…。
新築やリフォーム、DIYを始めようとしたとき、合板売り場の前で立ち尽くした経験はありませんか?見た目はそっくりでも、「ベニヤ」「コンパネ」「構造用合板」では性能も使い方もまったく違うのです。

 

本記事では、「構造用合板とは何か?」という基本から、ベニヤ・コンパネとの違い、厚みやサイズ、価格帯、用途別の使い分け方、さらにはJAS規格やF☆☆☆☆の基準まで、家づくりの基礎知識として欠かせない情報を、丁寧にわかりやすく解説しています。

 

この記事を読むことで、「どのような合板があるのkじゃ」「どこに使うべきか」「室内でも安全か」などの疑問が解けて、建築やDIYで合板を選定するための知識が手に入ります。

 

構造用合板は、ただの“下地”ではありません。住まいの安全性と快適性を支える、家づくりの基本構成パーツです。この機会に、あなたの住まいを守る正しい知識を手に入れてください。

 

 

この記事で得られる5つの答え

  • 構造用合板は、JAS規格に基づいた強度・耐久性・耐水性に優れた建材であり、床・壁・屋根など建物の構造部に使うための「信頼できる合板」である。
  • ベニヤやコンパネとは用途・性能・基準が異なるため、構造的に重要な場面では構造用合板を選ぶべきである。
  • 厚みやサイズ、素材によって価格や性能が変わるため、使用する場所に応じて適切なタイプを選定することが重要。
  • 室内で使用する際はF☆☆☆☆の製品を選ぶことで、ホルムアルデヒドによる健康被害を防ぎ、安心して使用できる
  • 正しい知識と選定眼を持つことで、建物の耐震性・耐久性を高め、施工やDIYの失敗を防ぐことができる。

 

 

1. 構造用合板とは何か?その基本を押さえよう

 

1-1 構造用合板とは?定義と役割

構造用合板とは、建築物の構造部分に使用されることを前提に製造された合板です。複数の単板(ベニヤ)を互いの木目が直交するように貼り合わせて作られ、耐力性能がJAS(日本農林規格)で明確に定められています。

 

この合板の大きな特長は、強度・耐久性・耐水性に優れていることです。地震や風などの外力に耐え、住宅や建物の構造を安定させる「耐力面材」として重要な役割を果たします。

 

構造用合板は、床・壁・屋根などに幅広く使用されます。これにより、構造全体の強度を高めるだけでなく、耐震性や施工の効率化にも寄与します。特に木造住宅では欠かせない材料です。

 

一般的な合板とは異なり、構造用合板は「構造体に使っても良い」という明確な性能証明がされていることが大きな違いです。構造材に使用できるのは、性能評価をクリアした構造用合板だけです。

 

このように、構造用合板は「合板の中でも特に信頼性の高い建材」であり、家づくりや建築においてその役割は非常に重要です。選び方や品質の見極めが、建物の安全性にも直結します。

 

 

1-2 ベニヤやコンパネとの違いとは

 

建材としてよく聞く「ベニヤ」「コンパネ」と「構造用合板」は似ているようで役割が異なります。どれも木材を薄く加工した板材ですが、使用目的や規格に違いがあります。

 

「ベニヤ板」は、薄い単板を1枚または数枚重ねて作られたもので、内装や家具の下地材としてよく使用されます。構造材としての強度は求められておらず、意匠性や軽さが重視されます。

 

コンパネ。型枠などども呼ばれます

「コンパネ」は「コンクリートパネル」の略で、型枠用合板として現場でコンクリートを打つ際の型枠として使われます。構造的な用途ではなく、あくまで作業用の仮設材です。

構造用合板はこれらと異なり、明確にJAS規格で定められた構造耐力を持つ建材です。建物の壁や床など、長期間荷重を支える場面に使用できる唯一の「合板」といえます。

 

見た目が似ていても、使い方を誤ると建物の安全性に関わる恐れがあります。使用目的や性能をよく理解し、それぞれの特性に応じて使い分けることが非常に重要です。

 

 

1-3 構造用合板の作られ方と素材

構造用合板は、単板(ベニヤ)と呼ばれる薄い木の板を、木目の方向が交差するように複数枚貼り合わせて作られます。この構造によって、割れにくく、全方向に対して強度が得られるのが特徴です。

 

使用される木材には、ラワン・カラマツ・スギ・ヒノキ・ベイマツなどがあります。国産材を用いた合板も多く、地域材の利用が推進される背景には、環境負荷軽減や地産地消の考えもあります。

 

接着剤は、水に強いフェノール樹脂系接着剤(PF)が一般的です。これにより、湿気にさらされる場所でも接着面が剥がれにくくなり、耐久性を確保できます。

 

単板の枚数(奇数が基本)や貼り合わせの方法によって、合板の「層数」「厚み」「強度」が変わってきます。例えば、9mm厚なら3層、12mm~24mm厚なら5層以上が一般的です。

 

また、芯材に節や割れが少ない木材を選ぶことにより、製品としての安定性や施工性が向上します。品質の高い構造用合板は、現場での加工性にも優れており、作業効率を高めてくれます。

 

 

1-4 厚みとサイズのバリエーション

構造用合板には、さまざまな厚みサイズが用意されており、施工箇所や用途に応じて使い分けることが重要です。一般的な厚みは、9mm、12mm、15mm、24mmなどがよく使用されます。

 

9mm厚は、壁下地や仮設用途など比較的荷重のかからない部分に向いています。一方で、24mm厚は床や屋根など、強度が求められる場所に使用されることが多いです。

 

写真左が、メーター板の構造用合板。右が尺モジュールのもの、尺モジュールが街中で一番流通しているサイズ

 

サイズについては、もっとも一般的なのが910mm×1820mm(通称:サブロク板)です。このサイズは扱いやすく、木造建築の標準寸法にも適しています。

 

ちなみに「サブロク板」とは、3尺×6尺(約910mm×1820mm)の板材を指します。日本の建築基準に合ったサイズで、構造用合板やベニヤ板、石膏ボードなどによく使われます。「サブロク」は「3×6」の日本語読み。効率的な施工や流通の面で一般的な規格となっています。

 

大型サイズとしては、1000mm×2000mm1200mm×2400mmといったバリエーションもあります。これらは継ぎ目を減らしたい大型面材の用途や工場加工などで用いられることが多いです。

 

関西の古民家では、本間といわれる畳サイズ(約1910×955mm)が基準となり、柱の間隔も約1910mmと広めです。そのため、古民家の再生工事で合板を使う場合は、一般的なサブロク板(910×1820mm)では長さが足りず、「メーター板(約1000×2000mm)」のベニヤが使われることが多いです。

 

また、近年ではプレカット合板や、現場での作業効率を高めるための短尺サイズ・スリット入りタイプなども登場しており、選択肢はますます広がっています。用途に応じて柔軟に選ぶことが求められます。

 

 

1-5 JAS規格とは何か?建材選びの基準

「JAS規格」とは、日本農林規格(Japanese Agricultural Standard)の略称で、農林水産省が定めた品質と性能の基準です。構造用合板もこのJAS規格に基づいて性能が等級付けされています。

 

構造用合板のJAS規格では、耐力性能・接着性能・寸法安定性・ホルムアルデヒド放散量などが細かく規定されており、信頼できる製品であるかどうかの判断基準になります。

 

特に建築基準法で指定されている「F☆☆☆☆(エフ・フォースター)」は、ホルムアルデヒドの放散が極めて少ない製品に付けられる最高ランクで、室内での使用には必須の安全基準です。

 

さらに、JASマーク付きの構造用合板は、製造工場での厳しい管理体制の下で生産されており、品質が一定であることが保証されます。建築確認申請でもこのマークの有無は重要視されます。

 

家づくりやリフォームにおいて、「どの合板を選ぶか」は構造の信頼性に直結します。JAS規格を満たした構造用合板を選ぶことが、安全で長持ちする家づくりの第一歩といえるでしょう。

 

 

2. 構造用合板の種類と価格をチェック

2-1 一般的な種類と厚み別の特徴

構造用合板には、厚みや材質によってさまざまな種類が存在し、用途や予算に応じた選定が求められます。一般的に、厚みが増すほど強度と価格も上がる傾向があります。

 

主な厚みには、9mm、12mm、15mm、18mm、21mm、24mmなどがあり、使用箇所に応じた選び方が基本です。たとえば、9mmは壁下地、15mm~24mmは床や屋根で多く使用されます。

厚さ15mmの構造用合板

厚みに加え、層の数(3層・5層・7層など)も強度に影響します。多層になるほど、ねじれや反りに強くなり、耐力壁などの用途に向いています。

 

材質としては、国産材を使ったスギ合板、輸入材のラワン合板、高強度なカラマツ合板などがあります。それぞれに特長があり、コストや耐水性などのバランスで選ばれます。

 

最近では、環境配慮型の合板や、見た目を重視した化粧構造用合板も登場しており、用途の多様化に対応した製品ラインナップが広がっています。必要な性能に合わせた選択が重要です。

 

 

2-2 用途別に選ぶ構造用合板のタイプ

構造用合板は、使用する場所と求められる性能によって適切な種類を選ぶことが大切です。間違った選定は建物の耐久性や安全性に影響を及ぼすため、慎重な判断が求められます。

 

例えば、床下地には厚さ15mm以上が推奨されます。床は人の荷重を直接受けるため、剛性があり、たわみにくい合板を選ぶ必要があります。24mm厚を使えばさらに安心です。

 

一方で、壁面には9~12mm厚の合板が適しており、筋交いと合わせて耐力壁としての機能を果たします。軽量で施工性にも優れており、コストパフォーマンスの高さも魅力です。

 

屋根の野地板には12mm~15mm程度が使用されることが多く、風圧や雪の荷重に耐えられるように、一定の剛性が必要です。構造用合板を使うことで下地のたわみを防ぎます。

 

また、湿気の多い場所や水回りには、防腐・防蟻処理されたタイプや、耐水性に優れたフェノール系接着剤を使った合板を選ぶと安心です。場所に応じた選定が、長寿命化につながります。

 

 

2-3 ホームセンターで手に入る製品とは

 

ホームセンターでは山積みになっている

 

一般の方が構造用合板を購入する場合、もっとも身近なのがホームセンターです。大手ホームセンターでは、建材コーナーに構造用合板の在庫があり、1枚単位から購入できます。

 

取り扱われているのは主に9mm、12mm、15mm、24mm厚などの定番サイズで、910×1820mm(サブロク板)が主流です。価格帯も比較的安価で、DIY用途にも適しています。

 

特に最近は、DIYやリノベーションのニーズ増加により、構造用合板が化粧合板として再評価されています。節や木目を活かした「見せる合板」としての使い方も注目されています。

 

店舗によっては、必要なサイズにカットしてもらえるサービスもあり、小規模施工や女性のDIYユーザーにとっても扱いやすい点が魅力です。

 

ただし、品質はピンキリで、JASマークの有無や木材の産地、接着剤の種類などは確認が必要です。構造材として使う場合は、必ず「JAS構造用合板」と明記された製品を選ぶようにしましょう。

 

 

2-4 価格帯の目安とコストパフォーマンス

構造用合板の価格は、厚み・サイズ・素材・規格(JAS認証の有無)などによって異なります。2025年現在、一般的なサブロクサイズ(910×1820mm)・12mm厚で、1,000円前後~1,800円程度が目安です。

 

より厚い24mm厚の構造用合板では、2,500円〜3,500円程度になることもあります。高強度のカラマツ合板や耐水性能を高めた仕様では、さらに価格が上がる傾向にあります。

 

コストを抑えたい場合は、ラワン合板や一部の輸入品を選ぶことで価格を抑えることが可能です。ただし、接着剤や耐久性などの品質差には注意が必要です。

 

一方で、多少価格が高くても、JAS認証付き・国産材使用の高品質合板は施工後の耐久性や安心感につながります。特に構造材として使用するなら、信頼性重視の選択が推奨されます。

 

長期的に見ると、高品質な構造用合板はメンテナンス性や再施工リスクの軽減にもつながり、結果的にコストパフォーマンスに優れると言えるでしょう。安さだけで選ばず、全体のバランスを考慮することが重要です。

 

 

2-5 DIYや小規模施工におすすめのタイプ

構造用合板は、DIYやリフォームなどの小規模施工でも非常に便利に使える建材です。適度な強度と加工性を兼ね備えており、住宅の補強や家具づくりにも応用できます。

 

特におすすめなのは、厚さ12mm前後のJAS認証付き合板です。壁や棚、天板の下地などに使いやすく、強度もありながら扱いやすい厚みです。ホームセンターでも入手しやすい規格です。

 

デザイン性も意識する場合は、節の少ないスギ合板や表面仕上げがきれいな化粧構造用合板が適しています。仕上げ材を張らずに“あえて見せる”DIYが近年人気を集めています。

 

また、短尺タイプ(900mm×900mmなど)やスリット加工された商品もDIYユーザーに人気です。必要なサイズにカットする手間が省け、女性や初心者でも取り扱いやすいのが魅力です。

 

さらに、構造用合板はビスの保持力にも優れており、収納棚やベンチなどのDIY家具にも最適です。必要な性能とデザイン性を考慮し、目的に合ったタイプを選びましょう。

 

 

3. 構造用合板はどこで使う?具体的な活用シーン

3-1 住宅の床に使われる理由

構造用合板は、住宅の床構造において重要な役割を果たします。床の下地として合板を敷くことで、面全体で荷重を受け止め、構造の剛性を高める効果があります。

 

床に構造用合板を使用することで、人の歩行による振動や沈み込みを抑え、快適な歩行感と耐久性を実現できます。特に24mm厚の合板は、耐久性に優れ、重量物にも耐えられます。また床板の下地としても十分な厚みがあるので、床鳴りやたわみを起きにくく、長年使っても劣化しにくいのが特徴です。下地がしっかりしていれば、フローリングなどの仕上げ材もより精度高く施工できます。

 

土台や大引といわれる床周り構造材に直接構造用合板を貼る「剛床工法」では、地震時に建物の変形を抑えることができ、耐震性を高める効果が非常に高いとされています。

 

このように、構造用合板は床の強度と快適性を支える重要な素材です。選ぶ際は厚み・等級・接着性能などを確認し、長期間安心できる構造を目指しましょう。

 

 

3-2 壁面や屋根材としての利用

構造用合板は床だけでなく、壁面や屋根の下地材としても広く使用されています。特に木造住宅においては、耐震性を高めるために壁に合板を貼る「耐力壁」としての役割が重要です。

 

壁に構造用合板を施工することで、建物の「面剛性」が向上し、地震や台風などによる横揺れへの耐性が飛躍的に向上します。筋交いと組み合わせることで、より高い構造強度が得られます。

 

屋根の下地(野地板)としても、構造用合板は優れた性能を発揮します。瓦や金属屋根の重さをしっかり受け止め、たわみを防止します。風圧に耐える構造を作るうえで不可欠です。

 

また、屋根に使う場合は防水性や通気性にも注意が必要で、専用の防水シートや通気層と組み合わせて使われるのが一般的です。これにより、構造合板の劣化を防ぎ、長寿命化が図れます。

 

壁・屋根ともに、JAS認証の性能等級(構造耐力、耐水性など)を確認することが重要です。建築確認申請の際にも必要となるため、適切な製品選定が求められます。

 

 

3-3 リフォーム・DIYでの使用例

構造用合板は、住宅の新築だけでなく、リフォームやDIYの現場でも幅広く活用されています。特に「強度が欲しい場所」「仕上げ材を兼ねる場合」などに最適な素材です。

 

例えば、壁や床の下地の補強として使えば、リフォーム後の構造の安定性が向上します。古くなった床の下に合板を増し貼りすることで、沈み込みや床鳴りの軽減につながります。

 

DIYでは、机やベンチ、棚などの製作にも適しており、丈夫で加工しやすいという特長から、多くのユーザーに愛用されています。ビスの保持力が高い点も評価されています。

 

また、表面がナチュラルな木目のタイプを選べば、そのまま内装材として「見せる使い方」も可能です。塗装やクリアコートを施すことで、インテリアとしても十分に機能します。

 

DIYでの使用にあたっては、カットしやすい薄めの12mm厚や、短尺サイズの合板が人気です。ホームセンターでは、カットサービスもあり、初心者でも扱いやすい環境が整っています。

 

 

3-4 店舗や倉庫など非住宅での使用ケース

 

構造用合板は、住宅だけでなく店舗や倉庫、工場など非住宅の建築物でも広く活用されています。とくにローコストで施工したい現場において、構造材と仕上げ材を兼ねる用途が増えています。

 

店舗内装では、あえて構造用合板を見せるデザインが人気です。ナチュラルで無骨な質感は、カフェやアパレルショップなどのインダストリアル風・北欧風インテリアにもマッチします。

 

倉庫や作業場では、コストを抑えつつ強度を確保できる素材として重宝されており、壁・床・天井に至るまで幅広く使用されます。ラフに使っても丈夫で長持ちする点が評価されています。

 

加えて、什器や陳列棚の材料として使われることも多く、自由な加工性と高い耐荷重性から、多目的な使い道が期待できます。製作コストの削減にも貢献します。

 

非住宅での利用時にも、耐火性能や接着剤の安全性など法的基準を確認することが重要です。特に不特定多数の人が出入りする空間では、JAS認証など信頼性の高い製品を選びましょう。

 

3-5 使用時に気をつけたい注意点とメンテナンス

構造用合板を使用する際には、製品の性能と使用環境の相性を十分に確認することが重要です。用途に合わない合板を使うと、劣化が早まり、構造上のトラブルにつながる恐れがあります。

 

特に注意したいのは、耐水性と湿気の管理です。構造用合板には耐水性のある接着剤が使われていますが、常時湿気にさらされる場所ではカビや劣化のリスクが高くなります。防湿シートなどの併用が効果的です。

 

また、直射日光や高温多湿の場所での長期保管は避けるべきです。施工前の保管方法によっても品質が左右されるため、平積みで風通しの良い場所に置くなど、適切な管理が必要です。

 

メンテナンス面では、経年による表面の割れや剥がれの点検が欠かせません。屋外や半屋外で使用した場合は、定期的な塗装や防水処理を施すことで耐久性を保つことができます。

 

さらに、施工の際にはビスや釘のピッチ(間隔)も重要です。メーカーの施工基準に従って適切に固定しないと、合板の力を十分に活かせず、耐震性などの効果が減少してしまいます。事前の情報収集と丁寧な施工が求められます。

 

特に室内で構造用合板を使う際は「ホルムアルデヒド放散量」に注意が必要です。内装材として使用する場合は、F☆☆☆☆(エフフォースター)表示のある製品を選ぶことで、シックハウス症候群などのリスクを低減できます。

 

F☆☆☆☆はJASが定めたホルムアルデヒド放散量の最上位等級であり、使用面積の制限なく室内で使用できる唯一のグレードです。DIYで壁や天井に使用する際にも、安全性を担保する基準となります。

 

 

まとめ

化粧仕上げ用のヒノキ合板

 

構造用合板は、住宅や非住宅建築における強度・耐久性・施工性に優れた建材として、非常に広く使われています。その特徴は、薄い単板を複数枚交差させて貼り合わせることで、あらゆる方向に対して強度を持たせられることにあります。床・壁・屋根といった構造部分のあらゆる面に対応できる、まさに「縁の下の力持ち」と言える存在です。

 

本記事ではまず、構造用合板の基本的な定義から入りました。一般的なベニヤやコンパネとの違いを理解することで、構造用合板がいかに「構造的性能に特化した素材」であるかがわかったのではないでしょうか。とくにJAS規格に基づいて強度や接着性能が数値で管理されている点は、建材選びにおいて非常に大きな安心材料となります。

 

次に、厚みやサイズ、構造用合板の種類について詳しく見てきました。厚み9mmから24mm以上まで、使用部位に応じて適切な選定が必要であり、床なら15mm以上、屋根や壁なら12mm前後が目安になります。また、ホームセンターでは短尺サイズやスリットタイプなども登場し、DIYや小規模施工にも対応しやすくなっています。

価格帯については、JAS認証や素材によって違いが出ることにも触れました。例えば12mm厚で1,000円前後から、24mm厚であれば2,500円以上することもあります。価格が安いからといって飛びつくのではなく、必要な強度・耐水性・認証の有無を見極めた上で、コストパフォーマンスの高い製品を選ぶ姿勢が重要です。

 

住宅での使用例としては、床の剛性向上や壁の耐震化、屋根の野地板など、建物全体を支える基本構造部分に活躍していることが確認できました。構造用合板は、単に下地材としてだけでなく、地震・風圧といった自然災害から家を守る“構造安全性の要”としての役割も持っています。

 

また、近年ではDIYやリフォーム市場の拡大に伴い、構造用合板がインテリアや家具製作に利用されるケースも増えています。特に表面が整ったスギ合板や、節の少ない製品を使えば、そのまま“見せる合板”としても活用でき、無骨でナチュラルなデザインを演出するアイテムとして再評価されています。

 

非住宅分野においても、構造用合板は高く評価されています。店舗の内装、倉庫の床や壁、工場の作業台や什器など、丈夫でコストを抑えられる素材としてのニーズが根強く、さまざまな場面で活用されています。特に仕上げと構造を兼ねることで施工性が高まり、工期短縮やコスト削減につながる点は大きな利点です。

 

ただし、注意点もあります。湿気や直射日光に弱い面があるため、使用環境に適した製品選定や、防湿・通気の工夫が欠かせません。また、構造体に使用する場合は、JAS認証の構造用合板を選ぶことが最低条件です。これが満たされていないと、建築基準法上の安全性を担保できず、確認申請にも通らないケースがあります。

 

室内で使用する場合には、必ずF☆☆☆☆等級の製品を選ぶようにしましょう。この等級はホルムアルデヒド放散量が最も少ない製品に与えられ、面積制限なしで室内使用が可能です。とくに小さな子どもや高齢者がいる家庭では、安全性を優先した合板選びが欠かせません。

 

最後に、構造用合板を選ぶ際には、「どこに、どんな負荷がかかるのか」「どんな仕上がりを求めるのか」「室内なのか屋外なのか」といった使用目的と環境条件を明確にすることが成功への鍵です。適材適所の材料選びと正しい施工によって、建物はより安全で、快適で、長持ちするものになります。

 

構造用合板は、ただの“下地”ではありません。住まいの構造と安心を支える基盤です。今後DIYや住宅リフォームを検討している方、建築に携わるプロの方も、ぜひこの記事の内容を参考にし、賢い合板選びと正しい使い方を実践してみてください。安全で快適な空間づくりに、きっと大きな力となってくれるはずです。

 

 

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