自分でDIYしにくいシロアリ対策、新築とリフォームの場合、工務店にできること

2017.11.09

小原響

1自分で DIYしにくいシロアリ対策

輝建設の小原です。当社は築260年の古民家を再生して事務所にしているそのせいか、よく大阪や奈良などの古民家や古い建売など木造住宅のリノベのご相談があり、調査にでかけます。

 

そこで、いろいろと住まい勝手についてのご要望をお聞きする前に、実際に工事をする工務店として、いの一番に知っておきたいことは「建物の構造の傷み具合」! 木造住宅の場合、傷んでいる構造部材を取り替えるには、大工さんを始めいろんな職種の工事に渡るので、けっこうなお金がかかるんですよね。もし、取り替えが必要なら工事の計画を立てる前にしっかりと予算をとっておかないといけないんです(電化製品の入れ替えのようなな軽微の工事ではないのであとからやりにくい工事なんで)。
家を支える柱や梁が傷んでいる!これは取り替えないと家が倒れるほどやばい!というときは「雨漏り」か、「シロアリに食べられていること(蟻害)」が原因になっていることがほとんどです。雨漏りは普段の生活の中でも気付きやすいですよね。そこで対応を打つことがすぐできますが、シロアリについては、床下や壁の中なんでなかなか気づくことができません。

そこで、今回は日本のシロアリといえば、この2種類「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」を想定した、輝建設の「シロアリ」対策を、新築・リノベ別にお話しします。

シロアリだけが木を食べられるのは建物を全面的に補修する古民家再生やリノベの場合、シロアリに食べられていた被害のある場所を取り替えることは比較的容易ですし、ましてや新築の場合はシロアリ対策をイチから立てることができます。

シロアリが木を食べるのは、木に含まれるセルロースを分解できるからです(おまけ情報:セルロースを分解できる唯一の生物。シロアリが地球上の木が土に還る手助けをしています)。彼らは普段は地中で生活しています。そのことからわかるようにシロアリは湿気のある場所を好みます。まずはこのことを念頭に置いてこれからの文章をお読みください。

シロアリがでたときに、ホームセンターで買ってきた薬をまくようなことは、自分で簡単にできますが、シロアリの活動しやすい場所が家にある限り、またシロアリが家に出る可能性は高いです。大規模なリフォームや新築を建てるのを工務店に頼むときに、シロアリに狙われにくいようにつくることができます。その方法をここでお伝えしてみようと思います。

今日のpoint
「完璧なシロアリ対策はない=いろんなものの組み合わせでシロアリ被害に遭う可能性をどんどん下げる」

シロアリ対策1)木を土に近づけない

古民家再生・リノベの場合)
多くの古民家の場合、石の上に柱がのる石端建てなのでどうしても、木構造が土から近く、シロアリに発見されやすいです。輝の改修工事では柱以外の床を支える束を鋼製のものにいれかえることで、シロアリの食害にあうものを床下から少なくすることで、シロアリの食べ物を物理的に少なくして見つかりにくくしています。よく、地面に刺さった街路樹の木製の支柱が、シロアリに食べられているものをよく見かけますが、地面の中はシロアリの生活の場なので発見されやすいのです。
新築の場合)
最近の新築はほぼ、ベタ基礎といわれるコンクリート底盤が床下全面にあります。(床下を覗いて、地面が見えている基礎は布基礎とよばれるもので、昭和の頃多かった基礎です)。隙間ないコンクリート底盤があることで、シロアリの住む地中と縁が切れ、彼らが上がってきにくくなります。ですが、底盤を先行打設してから、立ち上がりを打設する二段階工事が一般的なため、底盤と立ち上がりの隙間ができる可能性があり、そこは地面から近いためシロアリの侵入口になる可能性が高まります。

輝建設では基礎コンクリートを打設する際にも、底盤と立ち上がりを一体で打設することでシロアリの侵入する物理的な隙間をなくすることでシロアリの侵入する可能性を低減させています。

さらに、給排水管など基礎コンクリートを貫通する箇所を基礎底盤に設けず、立ち上がりに設けることで、シロアリの生息する地中から基礎内へ侵入しにくくなります。
また、玄関などに木製枠を付ける場合、コンクリート土間などに埋めないように気をつけないといけません。

 

シロアリ対策2)床下の乾燥をうながす

 

古民家再生・リノベの場合)
古民家やリノベの場合、小動物などの侵入を防ぐために縁側などの下に壁が加えられていたり、通風口が板などでふさがれていることがよくあります(ご実家とかそうじゃないですか?)。その場合、その壁や板を撤去してステンレスメッシュなどで小動物が入れないようしながら、通風を確保します。そうすることで床下環境の乾燥を促して湿気を少なくして、シロアリが活動しにくいような環境や条件をつくります。

また、水に強い桧を床下レベルの構造材入れ替えときには採用することで、湿気に強い床下環境にします。(土台、大引など。柱などを根継ぎ、入れ替えする場合は桧以外の杉赤身の場合もあり)

 

 

新築の場合)
床レベルで断熱する場合は、昔のような通風口でなく、輝建設では土台の下に通風パッキンを並べています。これにより基礎内通気が偏らず、床下全面で乾燥が促され、湿気の少ない環境となります。シロアリにとっても活動しにくい場所をつくるということですね。

最近は、基礎断熱という基礎コンクリートに断熱材を貼って、床下も温熱環境的には室内空間として捉えるという工事も行っています。その場合は、床に通風口設けることで、床下の湿気が排出できるようにしています。また、床下エアコン、OMソーラー、軸流ファンなどで床下の空気を強制的に動かしてやることがさらに有効です(オプションとなります)。

もちろん、新築でも床下レベルの主要木材はすべて桧を使っています、

 

 

3)やっぱり点検はできるように

上記2点は輝建設がシロアリ対策として、古民家再生・リノべ・新築で行っている基本的なシロアリ対策です。しかし、シロアリもまた生きていくために地中以外の乾燥した場所に餌場を求めることも多々有ります。例えば、蟻道といわれるトンネル構造を土の粒を固めたバイパスのようなものを基礎や木部の上につくることはシロアリの活動では日常的なことです。

上記でのべたシロアリ対策を乗り越えて、シロアリが家の木部にたどり着くことが絶対ないとは言えません。

そのため、土に近い木部については、目視またはリモコンカメラのような機械による点検ができるような構造になっていなければなりません。

 

 

昭和30年代までは、年末の大掃除のときに藁床の畳を干すとき、床板をめくって床下の構造をみるというシロアリが来ていないか確認できる機会がありました。新築なら、すべての床下のエリアが見られるように基礎をつくる、古民家再生・リノベなら、床下に簡単に潜れるような点検口を設けておくことをお勧めしています。発見が早ければ、いろいろ手を打つことができます。(輝建設では定期点検してくださる提携のシロアリ駆除業者さんをご紹介できます)。

 

4)まだまだ他にもできることがある

 

ここまでした上に、さらに当社ではいろいろな方策のご提案できます。例えば、ホウ酸による木部の処理。当社では新築の場合、土台から1F床から1mまでは、ホウ酸処理をしています。ホウ酸処理した木部を食べたシロアリはホウ酸塩を分解できないので死に至ります。また、働きアリがホウ酸を含んだ木を巣に持ち帰るので巣内のシロアリにも効果があります。ホウ酸は水に濡れて溶解しない限り、半永久的に効果が持続します。また揮発しないので室内空間を汚すこともありません。ホウ酸処理した工事についてはメーカー保証をうけることができます(ただし、新築のみ)。

 

 

また当社では基礎の給排水管の隙間をホウ酸入りシーリング材で埋めています。そのほか基礎断熱や床断熱の断熱材をホウ酸入りのものにすることでシロアリの侵入や食害を容易に広がらせないようにすることもできます。ほかにも、シロアリよりも小さな網目の金網を敷くことでシロアリの侵入を防ぐ方法などもあります。

 

 

地味なことでは、家の基礎に植木鉢やなどをならべているお家を見かけますが、毎日の水やりが家に湿気を寄せていることになります。またダンボールなどを持たれかけさせてたりするのも、ダンボールなどが雨に濡れたりすると家に湿気を呼び、シロアリにとっては活動しやすい場所となります。ささいな日常の行動が家にシロアリを呼ぶこともあるということも知っておけば、シロアリリスクを下げることもできます。

 

 

このようないろいろなシロアリ対策を組み合わせることで、輝建設ではシロアリに強いお住まいづくりのお手伝いをしています。

輝建設の小原でした。

 

今日のpoint

「完璧なシロアリ対策はない=いろんなものの組み合わせでシロアリ被害に遭う可能性をどんどん下げる」